天保12年(1842)、江戸の人気浮世絵師、歌川広重(うたがわひろしげ)は、甲府道祖神祭
(こうふどうそじんまつり)
の幕絵を制作するために甲府を訪れました。この旅の途中、広重は猿橋周辺の景観に感動し、スケッチ数枚と次のような言葉を旅日記に残しています。
「鳥沢にて下り猿橋まで行く、道二十六町の間、甲斐の山々遠近連なり、山高くして谷深く、桂川の流れ清麗なり、十歩二十歩行く間にかわる絶景、言語に絶えたり、拙筆に写し難し」
「甲陽猿橋之図」は、江戸に戻った広重がスケッチと記憶をもとに構成して描いたものです。猿橋を見上げ、崖の向こうに遠山や家並み、満月を見通しています。縦長の画面を活かして、斬新な構図を用いながら、自然な景観を保ち叙情性をたたえており、広重の最高傑作ともいわれています。
「道がつなぐ出会い」コーナーにて、平成18年6月25日(日)まで展示しております。お見逃しなくご覧ください!!(展示期間は予定です)
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