逸平の書いた「祝開通」


常設展示「巨富を動かす」展示コーナー写真

常設展示室「巨富を動かす」

こちらの展示もぜひご観覧ください。

「巨富を動かす」の入口には、逸平が語った「乗り物と灯りには将来性がある」の言葉とともに、中央線開通時に筆を執った「祝開通」の文字が写る写真が展示されています。
これは中央線が甲府まで開業した明治36年(1903)6月11日の記念祝賀会に際してのもので、建てられた緑門上の扁額には、逸平による揮毫で「祝開通」と掲げられたのです。




甲府停車場開通式

こちらも中央線の甲府開業時のようすを描いたもので、「祝開通」の文字がみえますが、その「祝開通」の上に「甲」の字のマークがあしらわれておりますが、実際の写真では「工」の文字が入っており、実際のものとの違いがみてとれます。「工」は工部省からのゆかりを持つ、国の鉄道部門を担っていた鉄道作業局の紋章と考えられます。そこを「甲」にしたのは、イラストのなかの旗や甲府駅初代駅舎、記念碑などの描写から、作者(クレジットは名取烏川)が伝聞のみでこれを作成したとは考えづらく、甲府の「甲」と掛けて改変したのかもしれませんね。


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