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山梨県立博物館は2005(平成17)年10月15日に開館いたしました。以来、山梨の豊かな自然と人々がどのように向き合ってきたのかという歴史を総合的に調査研究し、その成果を地域振興の重要な指針として提示できる博物館へと成長してきました。博物館が地域振興に果たす役割は一層重要なものとなりつつあります。豊かな文化的生活が望まれる社会にあって、今以上に貢献を果たしていくことが期待されています。
博物館は古代の甲斐の国の都として栄えた笛吹市に位置しています。庭からは、歌枕で知られた「甲斐の白根」をはじめ、盆地を取り囲む高い山々が眺望できます。このような景観を背景に、諸国に分流した甲斐源氏の故郷であることなどを重ねて考えますと、当地域が歴史・文化を学ぶにふさわしい環境にあると思います。
社会状況の変化、少子高齢化が進む中で、かつての先人が築き、守り、育んできた山梨の歴史・文化資源は、わが国においても貴重で重要な文化財であります。これを継承するために、博物館は展示や事業活動を通じて、皆様方のご高覧をいただき、「われわれの尊厳や誇り」とは、「自然と人間との調和」とは、「真の豊かさ」とは何かについて、来し方をふり返り、我々の未来を共に考える、よき機会を提供したいと願っています。
多くの皆様方のご来館をお待ちしています。 |
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平成30年5月
山梨県立博物館 館長 守屋正彦 |
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