第1回 みんなでつくる博物館協議会
日時:平成15年4月18日(金) 午後2時から午後4時50分まで
場所:談露館 2階 クリスタル
各委員による意見交換
○産業と歴史の関係についても取り上げてほしい。
○障害者にもわかりやすく、体験が可能な場所をつくりとよい。
○展示にストーリー性があると楽しいので、舞台演出家や脚本家もスタッフに入れてみたらどうか。
○子供の声や学校現場の声を反映させたい。
○「生きる力」を教える時、博物館の使い方は一つの方向性を示す役割を担うだろう。
○交通の便を、子供が使いやすいように整備してほしい。
○学校との情報交換を密に行ってほしい。
○入場者数で博物館を評価したり、文化施設は「人と経費の無駄使いだ」という考え方は訂正すべきである。博物館は将来への投資である。
○博物館の性格・内容について多くの人たちにPRしていくことが必要ではないか。
○山梨県人として価値のあるもの、欠かせないものを展示すべきである。
○博物館は何度も行くところにしてほしい。
○博物館には「気づき」を与えてくれる場となることを望む。
○博物館の敷地の多目的利用を考えてほしい。
○博物館から地域に誘導する方法論について、協議会で議論する余地がある。
○一館完結でなく、全県下が博物館であるという考えを持つことは大きな課題である。
○博物館は地域活性化の拠点、生涯学習・学校教育の拠点であることを充分に認識すべきである。
○体験学習では、その時代にタイムスリップするような仕組みがあれば、豊かな体験ができるし、印象に残るのではないか。
○展示の質を保つため、研究活動が必要である。
○県立博物館は資料の収集と保存が重要な任務である。
○ボランティアは、博物館にどのように機能していけるだろうか。
○文化はその時々の利害や政治の道具に使っては絶対に行けない。
○博物館が成功した形とは、多くの方に来ていただくこともその一つであると思う。
○年に1〜2回は、地域の歴史的な芸能などを上演してほしい。
○博物館をうまく使い、地域に還元するという連携をやりたい。
○観光との連携を保っていきたい。県民と観光客に愛される博物館の姿を模索していきたい。
第2回 みんなでつくる博物館協議会博物館先進事例視察状況
日時:平成15年4月24日(木)
場所:横浜市歴史博物館、浦安市郷土博物館
委員による視察後の感想
○山梨県内では、県外で活躍した人の業績が語り継がれることが無く、知る人も少ない。それらを体系的に残していくためにも、博物館は必要ではないか。
○浦安の干潟は、海の水を浄化し、豊かな恵をもたらしていた。しかし度重なる災害により次第に失われ、一方で浦安の町はどんどん新しくなっていった。そうした状況で、次代を担う子供たちのアイデンティティーを作っていくのは、大人の役割であり、博物館がそこに果たす役割は重要である。
○視察した二館は、それぞれ個性的かつ地域密着型であり、特にボランティアの果たす役割は大きい。
○老人クラブや婦人学級などと博物館との関連について考えるべきである。
○視察した二館は、「触れる」ことを重視し、館全体が体験・学習の場となっている。この二館に限らず、様々な館の良いところを取り入れ、山梨県独自の博物館を作っていくべきである。
○両館とも市の博物館であり運営もコンパクトでやりやすく、融通が利くという良さがみられた。
○浦安市郷土博物館は入館が無料で、新鮮な印象を受けた。しかし長い目で見て、無料の善し悪しについては検討を要する。
○両館は、そこで生まれ育った子供に、とくに近代化などによって急変する 以前の郷土の歴史を学ばせたいという共通したコンセプトを備えている。
○子供をいかに博物館に取り込んでいくか目の当たりにすることができた。
○浦安市郷土博物館では、建設準備段階から教員が関わっており、その重要性を感じた。
○近頃の子供はコミュニケーション能力に欠けるところがある。ボランティアとして博物館に参加する地域の人と交流を持つことは、大変重要な教育的効果がある。ぜひ取り入れて欲しい。
○当時のものを復元することによって、「懐かしむ」以上に何を学ぶのか疑 問に感じる。このような施設は一見人を集めることができるが、来館者に何を考えさせるか明確に意識する必要がある。
○「うごき」のある展示は人を引きつける。
○一つのテーマに絞り、身近なものを集めて行う展示は、最近の風潮を捉えた成功例といえる。山梨県はテーマ性を積み上げていくという点において、浦安市郷土博物館に近いか。
第3回 みんなでつくる博物館協議会
日時:平成15年5月6日(火) 午後1時30分から午後4時40分まで
場所:古名屋ホテル
博物館における県民参画について(具体的なあり方)
○ボランティアの養成について早期実現。
○ボランティア・NPOが参加しての文化財巡り等、開館前のプレイベントの実施。
○県民と共同した文化財調査の実施。またそのための研修・養成講座の実施。
○伝統的技術についてなど展示内容についても県民と共同で調査や企画。
○各自治体と連携した事業。
○施設面で生涯学習支援機能の充実。
○生涯学習支援を充実させるためには、博物館までのアクセスを充分に確保する必要がある。(交通手段として博物館までの循環バスの導入)
○協議会の役割として、単に要望をするのではなく、県立博物館のサポーターとして県民参画の在り方を主体的に提示できるようにする必要がある。
第4回 みんなでつくる博物館協議会
日時:平成15年5月20日(火) 午後1時30分から午後4時まで
場所:シティプラザ・ホテル 紫玉苑
1 これまでの協議会のまとめ
○県立博物館の開館に向けた県民参画事業の早急な着手について委員全員の理解を得たいものとしたい。
○開館時間、管理体制など、今後検討される部分については、協議会で検討した内容を反映させて欲しい。
2 アミューズメント的な要素を加味する方法
○博物館では、ただ展示を見るだけでなく、昔の人々の体験を加えることによって、より印象に残る。
○会館前のイベントの実施が、博物館のPRとなり、県民の参加を促すことによって、県民の認知にもつながる。
○舞台監督やインテリアデザイナー等の専門家に、展示の協力をしてもらったらどうか。
○地域を巻き込むことによって、地域振興、ひいては博物館への利用者の再来制を確保することに結実するであろう。
○訪れるごとに、段階的に山梨を理解できるような展示等であったらよいだろう。
○山梨県産の建材や地場産業に関連したものを取り上げていけたらよい。
○NPOやボランティアが活動するための経済的な基盤整備を行って欲しい。
○気軽に参加できるようなボランティアの在り方についても議論を行う必要がある。
○開館前にボランティアやNPOを集めた勉強会の類を開催することも必要であろう。
○学芸員が十分に働ける環境について、今後提言していかなければならない。
3 地域振興や経済発展につながる手法
○博物館は地域活性化の拠点である。
○博物館の利用は、県外の方が70〜80%になるだろう。県外の方にとっては、博物館が山梨県の表玄関になる。団体で博物館を訪れた利用者が、 その後、個人で博物館を訪れることもある。
○町見学ツアーのコースを実施してはどうか。対象となった地域にも利点が生じる。例えば、ツアーで紹介された店はその効果で客も増加し、店の側もツアーの企画に好意的になる。また町も整備されるようになり、地域の活性化がなされるようになる。開館の6ヶ月前くらいまでに、地域ツアーコースに関するコンペを開催してはどうか。
○今後は「地産地消」が検討課題だと思う。
○ロゴマークの募集というのはどうか。
○地域振興について、県立博物館へ過度に期待を寄せるのは戒めるべきで、 そのための一手段程度に捉える程度の考え方が妥当なのではないか。
○交通網については、地域振興のためにも是非検討して欲しい。
4 その他
○県立博物館建設地の見学の機会を設定して欲しい。
第5回みんなでつくる博物館協議会
日時:平成15年6月3日(火)午後1時30分から午後3時50分まで
場所:山梨県総合教育センター
1 建設現場を視察しての意見交換
○大型バスの駐車スペースについては、石和の観光客数を考えると、少ないのではないか。
○トイレの数を増やして欲しい。
○博物館の名称はもう決まっているのか。ネーミングにも工夫をして欲しい。
2 みんなでつくる博物館協議会検討状況
○事務局には、常に県民と行政の関わり方のモデルを作っていってほしい。 運営においてもその姿勢を堅持していただきたい。
○これまでの意見を集約し、事務局で精査した上で、会としての意見を教育長に報告することとする。
3
その他
○開館特別展についてであるが、大変な事業である。
○平成17年の開館は、県の内外から非常に注目されている。どのような展覧会を行うのかも楽しみである。
○そろそろ準備していただきたい。テーマややり方については県民はじめ、 多くの人の意見を聞いて慎重に進めて欲しい。
第6回みんなでつくる博物館協議会
日時:平成15年8月7日(木) 午後3時30分から午後5時まで
場所:山梨県庁第2南別館
1 協議会検討状況報告後の経過について
○子供たちが「博物館を活用した夏休み自由研究プロジェクト」に多く参加してくれたが、今後は学校教員にも参加をよびかけたらどうか。
○「わいわいミュージアム」や「収蔵品ゆかりの地ツアー」では、NPO、博物館学芸員、当該地域関係者の協議の場を設ける必要があるのではないか。
○「県立博物館交流拠点形成事業」もNPOとの連携事業だが、これについてはハブ博物館ネットワークとの関わりが必要ではないか。
○NPOとの連携事業と言えども、すべてを丸投げするのは良くない。
○県では初めての試みなので、今後の取り組みの中で心に留めて欲しい。これは博物館だけでなく県政にも関わる。委員会の意見を汲み取っていってほしい。
2 意見交換
○新聞社、郷土研究者、写真家また個人など資料収集をしたり研究をしたりしている人や機関の情報や協力を得ていくことが必要である。
○エデュケーター機能は非常に重要で、子供たちが自分の地域にますます興味を持つようになる。
○博物館の講座、学芸員の説明、解説などを各学校の教室に流すということもしてみてはどうか。
第7回みんなでつくる博物館協議会
日時:平成15年11月14日(金)午後1時30分から午後3時30分まで
場所:山梨県総合教育センター
1 15年度実施事業の具体的内容について
○15年度実施事業については,特にNPOを共同パートナーとして実施する県民参画事業について協議された。本協議会でこれまでに博物館運営への県民参画のあり方を検討してきたことをふまえて,NPOとの連携のあり方を模索していきたい。
2 16年度事業の考え方について
○博物館を中心とした共同研究の体制について,これまでの研究会のあり方は専門性が高い部分が大きく,県民に開かれたものとは言い切れない。教員が参加できるしくみを整えたり,様々な研究団体との連携をはかり,広く県民を巻きこんだ内容のものを企画できたりするといいのではないか。
○県内大学との連携体制について想定されることとして,インターンシップ的な博物館活用,博物館での実習と大学の単位との関わりなどがあげられる。
○資料について,資料整理はボランティアなどの外部委託の可能性が示された。資料の収集については,国立の施設に収蔵されている県ゆかりの資料を,博物館の開館によって本県に戻す働きかけも可能になると考えられる。
○博物館自身の充実化に努めつつ,準備段階の今から,ネットワーク化を立ち上げる必要がある。
第8回みんなでつくる博物館協議会
日時:平成16年2月13日(金)午後1時30分から午後4時まで
場所:ホテル紫玉苑
1 県立博物館の整備状況について
○資料の整理や分類については、本来であれば近代化がはじまった時点で行われるべき作業であった。県内の研究者に依頼して整理が進められているが、この作業に関することも協議会で議論していきたい。
○著名な資料を見せることだけでなく、多くの資料を通じて山梨の歴史や文化を伝えることを「目玉」として欲しい。
2 15年度事業の実施状況について
○資料の活用方法については、広く公開できるように移動博物館などで資料を活用できると良い。また、学芸員の調査研究活動の成果を公表する場として展示を更新させていくことも検討して欲しい。
○情報の収集のなかで、非常に幅広い情報が寄せられたが、これらからテーマを絞り込んで体系化して欲しい。
3 今後の課題
○若年層の博物館への関心がまだ低いことが指摘される。関心を高めるために夏休み自由研究プロジェクトや土日の子ども向け講座などを計画し、博物館の情報を子ども達に広められるようにすること。
○体験学習などの博物館の企画・イベントで、県立博物館でしかできない、博物館ならではの内容が求められる。そのような内容であれば、利用者の関心も高められること。
○ハブ博物館の展開が、学校との連携のみ挙げられていたが、今後他のさまざまな事業でもハブ博物館の展開を考えていくこと。