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博物館資料のなかの『富士山』
葛飾北斎 冨嶽三十六景
17:甲州三島越(こうしゅうみしまごえ)
籠坂峠付近の景観であろうか。画面を巨木が貫き、その後ろに富士が稜線を広げている。手をつないで幹の太さを確かめている旅人たちの歓声が聞こえてくるようである。藍、緑、墨のグラデーションが意匠的に用いられている。沸き立つ夏雲に、峠を越すと見えてくる広大な富士山麓の開放的な風景が思い起こされる。 ※籠坂峠(山梨県山中湖村、静岡県小山町) …三島越とは、甲府盆地から富士山麓を経て駿河国・相模国へと続く鎌倉往還(古代東海道)を指す。本図は、鎌倉往還の甲駿国境にある籠坂峠から富士を望む。