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博物館資料のなかの『富士山』
葛飾北斎 冨嶽三十六景
34:隠田の水車(おんでんのすいしゃ)
現在都会を代表する原宿は、かつては農村地帯で、今は暗渠になってしまった渋谷川にはたくさんの水車があった。粉を挽くために穀物が入った重い袋を担ぎ上げる男たち、洗い物をする女性たち亀をつれている子どもの姿には、農村のたくましい生活感がある。北斎はここでも水の表現を試みており、水車の回転とともに変わっていく水の瞬間の形を留めようとしている。 ※隠田(東京都渋谷区) …江戸の南西の郊外に位置する隠田村は、渋谷川の流域であり、江戸時代後期には水車が渋谷川に設けられていた。