波のうねりの強さを誇張した曲線で表現している。七里ヶ浜の沖合から見た眺めなのか、右手に見えるはずの七里ヶ浜は波に隠れ、小動（こゆるぎ）岬の切り立った岩と江の島の左半分が波間にのぞくのみである。
※七里ヶ浜（神奈川県鎌倉市）
…七里ヶ浜は、相模国（神奈川県）鎌倉の西の入口である稲村ヶ崎から腰越村の小動岬まで続く相模湾の海岸であり、江の島とともに富士を望む景勝地として有名であった。画面中央の崖は左側が江の島、右側が小動岬。『鎌倉志』によると、山の端に海辺に差し出した松があり、風波で枝葉が揺れることから、「こゆるぎの松」と呼ばれていたとある。沖合には船が見えるが、腰越村では漁業が盛んで、17世紀後半から江戸日本橋の魚市場に卸していた。富士の右手の山は丹沢山地の大山。
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