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博物館資料のなかの『富士山』
歌川広重 不二三十六景
5:箱根山中湖水(はこねさんちゅうのこすい)
嘉永4年(1851)頃に箱根へ旅行した折、広重はスケッチ(通称『武相名所旅絵日記』)を遺した。本図には、そのとき元箱根の「賽の河原」で描いた写生が活用されている。寒色系の彩色と黒の天ぼかしによって、凍るような冨士の白峰と静けさをたたえた芦ノ湖に、神域の森厳さが漂っている。 ※箱根(神奈川県箱根町) …芦ノ湖は箱根山中にあるカルデラ湖。南東の湖岸にある箱根神社は、かつては箱根三所権現と称し、古代以来、山岳信仰の霊場として崇拝された。南岸には東海道が通り、箱根関所が置かれていた。