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インデックス>富士山>歌川広重 不二三十六景

富士山


博物館資料のなかの『富士山』

歌川広重 不二三十六景

18:相模川(さがみがわ)

相模川

残照が山々に不快陰影を落とし、空を茜色に染めた相模川の夕刻。川岸か中洲から富士、大山、相模川を正面にとらえたごく自然な川辺の景観である。滑らかに下っていく筏が見える。芦の茂みの向こうに浮かぶ帆船の帆の隙間からは景色をのぞくことができる。

※相模川(神奈川県海老名市、厚木市)
…相模川は山中湖を源流とし、甲斐国郡内領の山間地域を抜けて、相模国の中央を横断し、相模湾に注ぐ。上流は桂川、河口付近は馬入川とも呼ばれており、木材や年貢米、塩などの水運で賑わった。広重が描いた「東海道五十三次之内」(行書東海道)の中に「平塚馬入川舟渡しの図」があるが、河口付近の相模川(馬入川)には富士を背景に平塚宿の町並みが描かれている。本図には、宿の描写がなく、丹沢山地の大山と富士との位置関係などから、柏尾通大山道の戸田の渡付近の様子を描いたと推測される。

 

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