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インデックス>富士山>歌川広重 不二三十六景

富士山


博物館資料のなかの『富士山』

歌川広重 不二三十六景

33:甲斐夢山裏富士(かいゆめやまうらふじ)

甲斐夢山裏富士

『甲州日記写生帳』には、夢山から見た富士と御坂山系の稜線を的確にとらえた図があり、甲府滞在中に夢山散策に出かけていたことが確認できる。本図は夢山よりさらに引いて、夢山越しに甲府城と富士を見ている。スケッチの写実性は失われ、急勾配の丸い山と三角形の富士、緑色と黄色といった対比に単純化されている。

※夢山(山梨県甲府市)
…夢山(現、夢見山)は甲府城下町の北東部愛宕山の北、大泉寺境内の東にある。当山を夢山と称する資料は17世紀以降確認でき、18世紀初頭には甲州八景のひとつに数えられている。西側(右側)の山腹の岩は、武田信虎が夢を見て信玄が生まれたという伝承が伝わる夢見石か。甲府絵図を見ると頂上付近には「二本松」などの松が生えていたことがわかり、図と一致する。右端の楼閣は甲府城の本丸櫓、その左側に見える建物は稲荷櫓と考えられる。

 

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