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博物館資料のなかの『富士山』
歌川広重 不二三十六景
36:安房鋸山(あわのこぎりやま)
その名のとおり、尾根が鋸の歯のように切り立つ山である。広重は嘉永5年(1852)2月に2回目の房総旅行に出かけているが、このとき、鋸山を訪れている。緑、黄色、水色、薄紅の柔らかな色による明快な色面後世によって単純化されているが、実体験にもとづく臨場感がある。 ※鋸山(千葉県富津市、鋸南町) …鋸山は上総国と安房国の国境にそびえ、頂上からは十州を展望できたため、十州一覧台があった。南麓には日本寺があり、鋸山は古くからの山岳信仰の霊場であったと考えられている。本図は浦賀水道越しに富士を望む。