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歌川広重 冨士三十六景
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16:武蔵本牧のはな(むさしほんもくのはな)
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「はな」とは差し出た高台や岬をさす塙のことで、本図の右側に垂直に切り立っている岬が本牧のはなである。岬の内側には磯子浜が広がる。桃色の帯は、梅か桜の群生と思われ、春の海浜風景である。濃彩のぼかしによって意匠的な画風の作品である。
※本牧(神奈川県横浜市中区)、磯子(横浜市磯子区)
…本牧岬は州乾(しゅうかん)湊の南岸から江戸湾(東京湾)に張り出した断崖。本図は、本牧岬の南岸から磯子浜を手前に富士を望む。磯子浜では漁業が行われ、磯子村には18世紀初頭に船5艘があり、地引網、てぐり網、もびき網、こ網の漁を行っていたという。中央の山は丹沢山地の大山。 |
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