|
|
歌川広重 冨士三十六景
|
22:伊豆の山中(いずのさんちゅう)
|
|
深い谷を流れてきた川が、大きな瀑布となって落ちる。峠の向こうに富士の雄大な姿が間近に迫って見える。両側の細い山道を登っていく。樵夫たちと比して、滝の幅や富士の大きさが強調される。滝を正面にすえた構図は、まるで空中からの中継映像のようである。
※浄蓮の滝(静岡県伊豆市)
…伊豆半島の中央には天城山系の山々がそびえ、山間を下田街道や根府川(ねぶがわ)往還が通っていた。本図は、伊豆半島山中の湯ヶ島村から富士を望む。中央の滝は「三階滝」と呼ばれた浄蓮の滝であり、両端を通る街道は天城峠を登る下田街道であると考えられる。 |
|
|