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歌川広重 冨士三十六景
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24:駿河三保之松原(するがみほのまつばら)
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歌枕でもある景勝地三保の松原を雅やかな風情で描いている。三保の松原は古くから、左手の高台に清見寺、左奥に富士、右から松原の先端が伸びてくる構図で多く描かれたが、広重はさらに松原に近づき、ひときわ富士を大きくとらえている。縦長の画面に中景から遠景を重ねた俯瞰構図で、奥行きと広がりを出している。
※三保松原(静岡県静岡市清水区)
…駿河湾に突き出した砂州である三保松原(三保浦)には羽衣伝説が伝わり、古代から歌枕として詠まれ、富士の景勝地として有名であった。対岸には清水湊があるため、船の出入りが描かれている。その背後の山は薩■(土へんに垂)山。 |
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