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インデックス>富士山>歌川広重 冨士三十六景

富士山


博物館資料のなかの『富士山』

歌川広重 冨士三十六景

29:信濃塩尻峠(しなのしおじりとうげ)

信濃塩尻峠
峠から湖越しに富士を見る構成は堂シリーズの「甲斐御坂越」にも使われているが、御坂峠が上ってきた旅人の目の前に河口湖が現れるという設定であるのに対し、本図は坂を下る三人のように、諏訪湖を背にして塩尻峠を下っていく設定になっている。これは、江戸からの旅を想定しており、広重自身の体験が下敷きになっているからであろうか。両側の切り立つ崖、急な下り道、これからの大変な道のりを想像させる。

※塩尻峠(長野県岡谷市、塩尻市)
…塩尻峠は、信濃国の松本平と諏訪盆地とを結ぶ標高役1000mの峠。室町時代末までは西方の勝弦峠が主に使用されたが、天文17(1548)には武田晴信(信玄)と小笠原長時との交戦が行われた。17世紀初め、中仙道が塩尻峠を越える通路に変更となり、塩尻宿、洗場(せば)宿、本山宿(いずれも塩尻市)が設置された。また宝暦4年(1754)には、峠に茶屋が設けられ、御小休本陣とされたという。
 

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