被災した博物館に置かれていた1枚の書置き (写真:前川さおり氏)
|
|
東日本大震災によって大きな被害を受けた岩手県陸前高田市では、文化財施設4館が津波に巻き込まれました。「文化財の残らない復興は本当の復興ではない」とレスキューされた全資料46万件の応急処置が日々進められています。
本展では、陸前高田市で行われた文化財レスキューや、海水による損傷を受けた資料の応急処置・修復技術について、処置が行われた資料約100点とともに紹介します。この機会に、地域の資料を再生して伝えていく意義や、博物館が果たすべき役割について、皆様とともに考えていきたいと思います。よみがえった陸前高田の「宝」たちを、ぜひご覧ください。
|
|
|
|
|
■期間
平成28年6月4日(土曜)〜平成28年7月4日(月曜)
■時間
午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
■主催
山梨県立博物館、津波により被災した文化財の保存修復技術の構築と専門機関の連携に関するプロジェクト実行委員会
■観覧料
常設展観覧料でご観覧になれます。
■常設展観覧料
|
通常料金 |
団体割引料金(20名以上)、
宿泊者割引 |
一般 |
510円 |
420円 |
大学生 |
210円 |
170円 |
※次の方は観覧料が免除となります。
・65歳以上の方
・小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の児童・生徒
・障害者基本法第2条に規定する障害者の方、及びその介護をされる方
※宿泊者割引は、県内のホテルや旅館等に当日か前日に宿泊される方を対象とした
割引料金です。
※無料、 割引料金の対象となる方はそれぞれ証明できるものをご提示ください。
※定期観覧券(年間パスポート)もどうぞご利用ください。
|
|
|
本展覧会は、平成28年度文化芸術振興費補助金(地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業)の補助を受けて実施する事業です。 |
|
■展示構成と主な展示資料 |
|
1. 未曽有の大災害 |
平成23年3月11日14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の国内観測史上最大の巨大地震が起こり、その後ところにより波高10メートル以上にも上る大津波が各地を襲いました。震災の詳細や陸前高田市の被害の状況を紹介します。
|
|
|
2. ガレキの中から宝を救え |
陸前高田市の文化財施設4館で行われた資料救出の様子を紹介します。また、ガレキと資料を見分ける目印となった防水タグの話や、重要資料が流失を免れた話なども紹介します。 |
|
|
瓦礫の中から発見
5センチメートルの人面付石棒
陸前高田市立博物館 蔵
|
|
|
|
3. よみがえる、ふるさとの宝たち |
様々な分野・素材の資料が一度に大量に海水によって被害を受けたのは、世界的にみても初めての経験でした。試行錯誤で、除泥・除菌・脱塩・脱臭の処置方法(安定化処理)が開発され、5年間で17万件の資料の処置が行われました。処置が行われた資料を、処置の様子の写真や映像も交えて紹介します。 |
2年かけて本格的に修復された
吉田家文書「定留」
岩手県指定文化財
個人蔵
|
|
被災した昆虫標本(上)
修復された昆虫標本(下)
陸前高田市立博物館 蔵 |
|
|
3年かけて音色も再生された
リードオルガン
陸前高田市立博物館 蔵
|
|
地元の漁師さんによって
修復された漁撈具ハムドウ
国登録有形民俗文化財
陸前高田市立博物館 蔵
|
|
|
|
4. 陸前高田のアイデンティティー |
博物館資料は陸前高田が陸前高田である証であり、資料の再生は多くを失った人々の心のよりどころとなりつつあります。資料を再生し未来へ伝える意義や地域博物館が果たすべき役割について考えていきたいと思います。 |
4-1 海とともに |
陸前高田市出土の
縄文時代の釣針
陸前高田市立博物館 蔵 |
|
イサリとタコヒキツナ
国登録有形民俗文化財
陸前高田市立博物館 蔵
|
|
米崎村津波記念碑拓本
陸前高田市立博物館 蔵 |
|
|
4-2 吉田家がのこした地域の記録 |
|
|
気仙隕石(日本最大の隕石)
落下の様子が記録された
吉田家文書「定留」嘉永3年
岩手県指定文化財
個人蔵
|
|
気仙隕石(日本最大の隕石)
の破片
陸前高田市立博物館 蔵
|
|
|
4-3 鳥羽コレクションが語ること -地域資料の重要性- |
鳥羽源藏が採取した
植物標本ミズアオイ
陸前高田市立博物館 蔵 |
|
|
4-4 市民が作り上げた博物館の底力 |
陸前高田市立博物館の資料は99.9パーセントの資料が市民からの寄贈でした。市民によって作り上げられてきた博物館は、大きな被害を受けましたが、再び市民の協力を得ながら立ち上がろうとしております。博物館被災前後での市民と博物館との関わりを紹介します。 |
おらほのアカショウビン
陸前高田市立博物館 蔵
小学校に激突したアカショウビンは、子どもたちによって手厚く葬られましたが、博物館に残した方がよいということで剥製にされました。「おらほの(僕たちの)アカショウビン」として親しまれ、子どもたちがたびたび博物館に会いに来ていたそうです。
|
|
|
|
■関連展示 |
災害に向き合う
-山梨の災害と人々-
(常設展示室「学芸員のおすすめ」コーナー)
4月27日(水曜)〜6月27日(月曜)
|
山梨の災害の歴史の紹介を通して、災害から生命や財産を守り、復興を遂げようとする人々の営みを紹介します。
昭和41年に台風によって被害を受けた足和田村(当時)当館蔵 |
|
|
|
■講演会・ワークショップ |
記念講演会及び
スペシャルギャラリートーク |
熊谷賢氏は、陸前高田市学芸員の唯一の生存者として、市内の被災資料のレスキューや資料再生の遂行を一手に引き受けてこられました。ふるさとの宝を再生し伝える意義について、震災時や文化財レスキューの話なども交えてお話しいただきます。被災地で復興に向けて日々資料の再生に取り組んでいる熊谷氏の生の声を、ぜひお聴きください。
■開催日
平成28年6月11日(土曜)
(※終了しました)
■講師
熊谷賢氏 (陸前高田市立博物館 主任学芸員)
■内容
・13時30分から 生涯学習室
講演「ふるさとの宝は失われていない -陸前高田の文化財レスキュー-」
※申込不要、聴講無料
・午後2時30分から 企画展示室
スペシャルギャラリートーク (所用時間30分程度)
※申込不要、常設展観覧券が必要です。
|
記念講演会
躍動する陸前高田の歴史・文化 |
震災前から陸前高田を研究のフィールドとしてきた平川館長が、三陸の中心地として栄えた陸前高田の歴史・文化の魅力をお話しします。
■日時
平成28年6月19日(日曜)(※終了しました)
13時〜14時
■講師
平川 南(当館館長)
■場所
・生涯学習室
※お申し込みは不要です。聴講無料。
|
ワークショップ
ぬれた資料を救え!
-水損資料の応急処置-
|
洪水などの水害によって、損傷を受けてしまった資料の応急処置のワークショップを行います。東日本大震災時に開発された海水損資料の応急処置法をもとにした処置法を、講義と実習を通して学んでいただけます。
■開催日・内容
平成28年6月12日(日曜)(※終了しました)
・11時 開講式 主催者挨拶等
・11時15分 講義「被災博物館資料の救出と安定化処理」
講師 赤沼英男氏 (岩手県立博物館 首席専門学芸員)
・12時 昼食・休憩
・13時 実習1 「被災民俗資料の安定化処理法」
・14時 実習2 「被災紙資料の安定化処理法」
※被災状況を再現した資料を用いて、実際に資料の洗浄を体験していただきます。
・16時 質疑・総括
・16時30分 閉会挨拶
■場所
・生涯学習室、体験学習室
※お申し込みが必要です。
県立博物館TEL.055-261-2631まで。
※高校生以上を対象とします。
※定員:実習参加者24名、見学15名。先着順とさせていただきます。
※参加者には、後日郵送にて必要な準備等詳細をご連絡させていただきます。
|
|
|
|
■関連イベント |
ギャラリートーク
|
担当学芸員が展示の見どころを解説します。
■日時
平成28年6月5日(日曜)、19日(日曜)、7月2日(土曜)
15時から(30分程度)
■場所
シンボル展示室入口にお集まりください。
※事前の申し込みは不要です。
※常設展観覧券をお求め下さい。
|
かいじあむ子ども工房
みんなの宝ものを修理しよう!
おもちゃのお医者さん出張診察
|
おもちゃのお医者さんが博物館に出張診察に来ます。
■日時
平成28年6月11日(土曜)(※終了しました)
10時30分から15時まで
■場所
体験学習室
■協力
日本おもちゃ病院協会所属ドクター
※申込不要、お1人様につき1点・先着50名様
※診察無料、治療に実費が必要になる場合があります。
|
かいじあむ古文書講座
災害に関する古文書を読む |
災害に関連する古文書を読む講座です。
■日時
平成28年6月25日(土曜)(※終了しました)
13時30分から15時まで
■場所
生涯学習室
※ お申し込みが必要です。
県立博物館TEL.055-261-2631まで
※ 聴講無料です。
|
|
|
|