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現在私たちが郷土・山梨のことを知ることができるのは、先人たちの郷土史の編纂や研究の成果であり、また資料の収集に賭けた強い思いの積み重ねによるところが大きいといえます。
本展では山梨のかけがえのない遺産である資料の数々をご紹介しつつ、郷土史の道しるべをのこし、つないできた人々の業績についてもご紹介します。 |
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■期間
令和6年5月25日(土曜)〜6月24日(月曜) ※終了しました。
(休館日 毎週火曜日)
■時間
午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
■観覧料
常設展観覧料(一般520円、大学生220円 詳しくは利用案内へ)
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■主な資料と展示構成 |
第1章 山梨を書きのこす |
江戸時代には、数多くの地誌や紀行文が書きのこされています。地誌とは、地域の自然や地理、文化など、さまざまな特徴や伝承を記録したものです。地誌に記された旅人たちがみた地域のすがたは、地域の情報を外部に発信する媒体となり、また時を超えて現在の私たちに当時の地域の情報をもたらすものでもあります。
また、19世紀初頭の山梨では「甲斐国志」という官製の地誌が編纂され、旅行などの個人の経験によらない網羅的な地域の情報の収集と記録がおこなわれました。「甲斐国志」は現在でも郷土山梨を知るうえでは欠かせないものとなっています。
歴史のなかの多くの人々が、山梨について書きのこしてきたことで、わたしたちは現在では知りえない地域の情報について知ることができます。さまざまに書きのこされてきた記録から、まだ知らない山梨の個性についてのぞいてみましょう。 |
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資料名 |
所蔵者 |
資料群 |
和暦 |
西暦 |
1 |
甲斐国志 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治15年 |
1882年 |
2 |
甲斐国志案文 |
山梨県立博物館 |
頼生文庫 |
文化元年 |
1804年 |
3 |
甲斐国志編集資料書上要項覚書 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
文化3年 |
1806年 |
4 |
甲斐国志草稿 |
山梨県立博物館 |
高室家資料 |
江戸時代 |
- |
5 |
甲斐国志古文書 |
山梨県立博物館 |
赤岡重樹旧蔵資料 |
江戸時代 |
- |
6 |
甲国聞書 |
山梨県立博物館 |
赤岡重樹旧蔵資料 |
万治3年 |
1660年 |
7 |
風流使者記 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
8 |
ひとりね 乾・坤 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
9 |
甲州噺書写断簡 |
山梨県立博物館 |
上野晴朗氏収集資料 |
江戸時代 |
- |
10 |
裏見寒話 |
山梨県立博物館 |
頼生文庫 |
宝暦2年 |
1752年 |
11 |
甲斐叢記(前輯) |
山梨県立博物館 |
長谷川家文書 |
嘉永4年 |
1851年 |
12 |
甲斐廼手振 |
山梨県立博物館 |
赤岡重樹旧蔵資料・若尾資料 |
嘉永3年 |
1850年 |
13 |
並山日記(序及び目録、1〜10) |
山梨県立博物館 |
若尾資料 |
嘉永3年 |
1850年 |
14 |
峡中沿革史 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治21年 |
1888年 |
15 |
甲斐の落葉 |
個人蔵 |
- |
昭和50年 |
1975年 |
16 |
甲州見聞記 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
大正元年 |
1912年 |
17 |
暴瀉病流行日記 |
山梨県立博物館 |
頼生文庫 |
安政5年 |
1858年 |
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第2章 山梨の文化をのこす |
山梨県立博物館の展示や研究の基盤となる資料に「甲州文庫」があります。「甲州文庫」は功刀亀内氏が収集したもので、昭和26年(1951)に山梨県に譲渡されました。
同年の11月には、「甲州文庫」の移管を記念する展覧会が当時の県立図書館で開催され、山梨の歴史・文化の粋ともいえる、数々の資料が多くの人々を楽しませました。
山梨の文化を物語る資料たちといっても過言ではない、この「甲州文庫特別展示会」へ出展された資料について、当時の展示資料目録をもとに、書画やモノ資料の一部を展示しました。これらの資料は、県立博物館のさまざまな展示でもご紹介したものもあり、はじめてお目にかかる資料もあります。さまざまなジャンルの資料からは、山梨の特徴的な産業がみえてくるかもしれませんし、花開く文化芸術が感じられるかもしれません。豊かにのこされた資料たちから、山梨の多様な文化を感じ取ってください。 |
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資料名 |
所蔵者 |
資料群 |
和暦 |
西暦 |
18 |
デジタル紙芝居「甲州文庫物語」 |
山梨県立博物館 |
- |
令和6年 |
2024年 |
19 |
富くじ錐・木札・興行関係資料 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
20 |
岩代国蚕種 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治時代 |
- |
21 |
おかぶと木型 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
近代 |
- |
22 |
甲州枡 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
23 |
水晶眼鏡 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治13年 |
1880年 |
24 |
鑑札類 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸〜明治時代 |
- |
25 |
野売免許朱印状 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
天文10年 |
1541年 |
26 |
高芙蓉印譜 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
27 |
疫病退散に付差紙 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
安政5年 |
1858年 |
28 |
甲府買物独案内 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治5年 |
1872年 |
29 |
ビール開業広告 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治7年 |
1874年 |
30 |
生糸商標 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
近代 |
- |
31 |
峡中広告集 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸〜明治時代 |
- |
32 |
長沢組マッチ商標集 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
近代 |
- |
33 |
上下府中町触 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
寛文5年〜明治5年 |
1665年〜1872年 |
34 |
座光寺南屏書跡 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
35 |
富田武陵書跡(武陵書蹟 百寿之図) |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
36 |
乙骨耐軒書跡(耐軒書蹟 七律) |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
弘化2年 |
1845年 |
37 |
加藤竹亭書跡(竹亭書蹟 王維詩) |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
江戸時代 |
- |
38 |
若尾逸平書跡 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治33年 |
1900年 |
39 |
野口小蘋「梅花図」 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
近代 |
- |
40 |
キの神 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
享和2年 |
1802年 |
41 |
甲斐国金峰山金櫻神社御嶽山晩春之図 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
- |
- |
42 |
勧業製糸場七言絶句 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治10年 |
1877年 |
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第3章 郷土史をのこした人々 |
山梨県立博物館には、「甲州文庫」をはじめとして現在20万点を超える資料が収蔵されていますが、その多くは開館前に収集されたものです。
このような資料の収集は、資料を守り伝えてきた個人の努力であったり、資料の散逸を防ぐために奔走した専門家たちの活躍によるところが大きかったのです。こうした郷土史の遺産ともいえる、古い歴史資料をのこそうとする機運が高まったのは、大正時代に甲州財閥の若尾家を中心に展開した、山梨県志編纂会の事業の影響でした。この編纂事業の影響によって、功刀亀内は「甲州文庫」の収集をはじめることとなり、資料の収集や調査研究に力を尽くすことになる郷土史家たちの活躍の場ができたのです。
郷土史をのこした人々は、どのような思いで資料や研究成果をのこそうとしたのでしょう。専門家としての興味と関心かもしれませんし、地域の歴史や文化を後の世代へとつなげたい使命感からかもしれません。純粋に、郷土とその文化そのものが好きだったり、おもしろく感じていたからなのかもしれません。郷土史をのこした人々の群像とその遺産から、あらためてわたしたちにとっての郷土と文化をふりかえり、展望する契機としてみてください。 |
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資料名 |
所蔵者 |
資料群 |
和暦 |
西暦 |
43 |
山梨県志編纂会趣旨他 |
山梨県立博物館 |
大木家文書 |
大正4年 |
1915年 |
44 |
山梨県志資料目録 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫・若尾資料 |
大正13年 |
1924年 |
45 |
甲州文庫扁額 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和5年 |
1930年 |
46 |
功刀亀内肖像写真 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和時代 |
- |
47 |
甲州文庫標札 |
南アルプス市立図書館 |
- |
昭和19年 |
1944年 |
48 |
喜寿録 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和6年 |
1931年 |
49 |
甲州文庫記 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
大正14年 |
1925年 |
50 |
甲州文庫図書目録題辞叙文 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和3年 |
1928年 |
51 |
甲州文庫図書目録 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和18年 |
1943年 |
52 |
甲斐国西郡郷名尽 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和2年 |
1927年 |
53 |
甲州文庫関係記事集帖 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和時代 |
- |
54 |
甲州人材論 第2編 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和5年 |
1930年 |
55 |
浮世絵界 第2巻第1号 |
山梨県立博物館 |
大木家文書 |
昭和12年 |
1937年 |
56 |
「甲州文庫を語る」放送記録 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和25年 |
1950年 |
57 |
写真貼込帖 2 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
明治〜大正時代 |
- |
58 |
赤岡重樹関係資料 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫・赤岡重樹旧蔵資料 |
昭和時代 |
- |
59 |
萩原頼平関係資料 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫・頼生文庫 |
昭和時代 |
- |
60 |
小説 練絲痕(公私月報第47号付録) |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和9年 |
1934年 |
61 |
甲州文庫移管関係綴 |
山梨県立博物館 |
甲州文庫 |
昭和26年 |
1951年 |
62 |
小田内通久書簡 |
天津司の舞保存会 |
- |
昭和11年 |
1936年 |
63 |
甲州夏草道中記 |
個人蔵 |
- |
昭和36年 |
1961年 |
64 |
夏草道中切手 |
山梨文化会館 |
- |
昭和時代 |
- |
65 |
功刀亀内差出野口二郎宛書簡 |
山梨文化会館 |
- |
昭和26年 |
1951年 |
66 |
甲州文庫県内移管に関するお願い |
山梨文化会館 |
- |
昭和26年 |
1951年 |
67 |
野口二郎山梨百科事典執筆原稿 |
山梨文化会館 |
- |
昭和40年代 |
- |
68 |
遠藤金太郎差出野口二郎宛はがき |
山梨文化会館 |
- |
昭和32年 |
1957年 |
69 |
遠藤金太郎差出野口二郎宛書簡 |
山梨文化会館 |
- |
昭和32年 |
1957年 |
70 |
野口二郎「後代に伝える」原稿 |
山梨文化会館 |
- |
昭和33年 |
1958年 |
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■関連イベント |
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・かいじあむ講座「功刀亀内と甲州文庫」
日時:令和6年6月9日(日曜) 13時30分から15時まで 会場:生涯学習室
定員:先着順となります 参加費:無料 ※終了しました |
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・ギャラリートーク
日時:令和6年5月25日(土曜)※終了しました
6月23日(日曜)※終了しました
いずれも15時から30分程度
会場:シンボル展会場(常設展観覧券をおもとめください。) |
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・かいじあむ寺子屋ひろば
(1)紙しばい「甲州文庫物語」 5月26日(日曜)※終了しました
(2)「功刀亀内と甲州文庫」の豆本を作ろう 6月2日(日曜)※終了しました
(3)功刀亀内のとびだすカードを作ろう 6月16日(日曜)※終了しました
いずれも11時から30分程度、会場はかいじあむ寺子屋
その他の内容については、こちらをご確認ください。 |
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■リーフレット |
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内容は本展のうち、甲州文庫収集者功刀亀内に関する部分の解説パンフレットです。
展覧会終了後は、地域インデックスで配付しております。
A4版 4ページ(A3版両面印刷2つ折り) |
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