企画展「黄金の国々―甲斐の金山と越後・佐渡の金銀山―」: 山梨県立博物館 -Yamanashi Prefectural Museum-
山梨県立博物館 かいじあむ
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展示案内


企画展「黄金の国々―甲斐の金山と越後・佐渡の金銀山―」10月6日から12月3日まで

日本では戦国時代から江戸時代にかけて、金山・銀山の開発が活発に行われ、そこで生産された金・銀は貨幣や工芸品として国内だけでなく世界的にも注目を集めました。特に東日本では金の生産が盛んになり、戦国時代には黒川金山・湯之奥金山など甲斐の金山が、江戸時代には佐渡の金銀山が、代表的な生産地として知られています。
甲斐の金山では、金山衆と呼ばれる人々の活動により多くの金が生産され、甲州金という独自の制度が成立する基盤となりました。また江戸時代に最大の生産地となった佐渡においては、甲州をはじめ各地から移住した技術者・武士らがその発展を支えていました。
本展では、戦国時代・江戸時代を代表する甲斐と越後・佐渡の金銀山を中心に、人々の営みや卓越した鉱山技術、製造された金銀貨の数々をとおして、かつて日本に存在した「黄金の国々」の姿を紹介します。

概要     展示構成と主な資料     関連イベント    その他

■期間
平成24年10月6日(土曜)〜12月3日(月曜)

■時間
午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

■休館日
毎週火曜日。ただし、11月20日(火曜、県民の日)は開館します。

■観覧料

 
通常料金
団体割引料金(20名以上)
宿泊者割引
常設・企画展
共通券
一般
1,000円
840円
1,240円
高校・大学生
500円
420円
580円
小・中学生
260
210円
290円

※次の方は特別展の観覧料が免除となります。
・山梨県内ご在住の65歳以上の方
・土曜日における小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の児童・生徒
・障害者の方(およびその介護をされる方)
※宿泊者割引は、県内のホテルや旅館等に当日か前日に宿泊される方を対象とした割引料金です。
※無料、 割引料金の対象となる方はそれぞれ証明できるものをご提示ください。
定期観覧券(年間パスポート)もどうぞご利用ください。

■主催山梨県立博物館、新潟県立歴史博物館、「黄金の国々」展実行委員会、NHK甲府放送局
■後援: 朝日新聞甲府総局、エフエム甲府、エフエム富士、甲州市教育委員会、産経新聞甲府支局、テレビ朝日甲府支局、テレビ山梨、日本ネットワークサービス、毎日新聞甲府支局、身延町教育委員会、山梨新報社、山梨中央銀行、山梨日日新聞社・山梨放送、読売新聞甲府支局


■展示構成と主な資料
※会期中、展示替えをおこないます。
  展示替えの予定やすべての資料については、展示資料目録をご覧ください。
プロローグ
世界の中の日本の金・銀

日本が16世紀以降、世界の中で日本は「金銀を産出する島」として知られるようになっていました。展示の導入として、ヨーロッパなどで作られた日本地図から、世界の中で日本の金銀がどのように考えられていたのかを紹介します。

万国総図(部分)
国立歴史民俗博物館蔵
日本で出版された最初の世界図の模刻版。日本列島の東側に「金嶋」「銀ノ嶋」という想像上の島が描かれています。
※期間限定(10/6-22)の展示資料です。
万国総図、部分
カルディム「日本図」
放送大学附属図書館蔵
イエズス会宣教師カルディムの著書に所収された日本図。佐渡・石見・伊豆などに「Argenti fodine」(ラテン語で銀鉱山)と記されています。
※期間限定(11/7-12/3)の展示資料です。
カルディム日本図

第1章
戦国〜江戸時代の金と銀
戦国時代に入り、金銀が貨幣として使われるようになると、金銀の需要が急速に高まりました。その結果、各地で金貨・銀貨が製造され、様々な金銀貨が流通しました。当時の金銀の使用事例を、古文書や金銀貨、工芸品などから紹介します。
甲州金(碁石金・蛭藻金)
山梨県立博物館蔵
甲州市勝沼町の勝沼氏館跡付近で発見された金貨。粒状の金貨(碁石金・露金)と小判状に延ばした金貨(蛭藻金)の2種類があります。
甲州金(碁石金・蛭藻金)山梨県立博物館蔵
天正菱大判
東京国立博物館蔵 Image:TMN Image Archives
豊臣秀吉が後藤家に製造させた大判。上部に「天正十六 十両」、下部に「後藤(花押)」の墨書があります。このような大判は一般的な支払いなどには用いられず、恩賞・贈答などに使用されたと考えられます。
天正菱大判(東京国立博物館蔵)
長坂光堅・跡部勝忠連署状
米沢市上杉博物館蔵 国宝
武田勝頼と上杉景勝が同盟を結んだ際に、上杉氏から武田氏へ黄金を贈ることになっていたことが記されています。黄金は戦国大名の外交にも欠かせないものとなっていました。
※期間限定(10/6-29)の展示資料です。
長坂光堅・跡部勝忠連署状(国宝、米沢市上杉博物館蔵)
獅子図味所物
福井県立美術館 岡島コレクション
彫金師後藤家の初代祐乗の作と伝わる三所物。後藤家は祐乗以来、代々このような三所物を制作する家として、時の権力者に仕えました。豊臣秀吉の時代には、大判の製造も担うことになります。
獅子図味所物
第2章
戦国〜江戸時代の甲斐金山
戦国時代、甲斐国では黒川金山・湯之奥金山など、山金採取の初期的な金山の操業が始まっていました。金山では、金山衆と呼ばれる人々によって金の生産が行われました。甲斐金山での人々の営みや金山衆の活動を古文書・出土資料などから紹介します。
王代記
個人蔵
山梨県指定文化財
甲斐の金山に関する最古の記録です。明応7年(1498)の大地震で金山が崩れたと記されています。
王代記(個人蔵)部分拡大 王代記(個人蔵)
中山金山遺跡出土品
甲斐黄金村・湯之奥金山博物館所蔵 
山梨県指定文化財
湯之奥金山(身延町)を構成する中山金山から出土した、人々の生活に関わる道具類。なかには碁石などの娯楽に関するものや、茶の湯に用いる天目茶碗などもあります
中山金山遺跡出土品のうち、陶磁器中山金山遺跡出土品のうち、陶磁器中山金山遺跡出土品のうち、碁石中山金山遺跡出土品のうち、天目茶碗穀臼
随身半跏蔵
鶏冠神社蔵 甲州市指定文化財
黒川金山に所在した鶏冠神社に伝えられた神像。永禄2年(1559)に薩摩国の僧林賀が造営したという墨書銘があります。
随身半跏像 阿形随身半跏像 吽形
武田家朱印状
個人蔵
元亀2年(1571)、駿河深沢城攻めに戦功のあった金山衆に対して、税免除などの特権が与えられました。この戦いでは金山衆が地中から城の備えを掘り崩す活躍を見せていました。
武田家朱印状(個人蔵)

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第3章
佐渡金銀山の隆盛
戦国時代、越後では下越地方を中心とした金山から、多くの金が生産されました。また佐渡では、戦国時代末期に相川金銀山が発見され、開発が進められると、人口5万人ともいわれる鉱山都市相川が成立します。佐渡では大久保長安など甲斐出身者も多く、金銀山開発を支えていました。
直江兼続書状
矢島町自治会蔵
上杉景勝の重臣直江兼続が、豊臣秀吉側近の浅野長政に対して、越後の金山開発について記した書状。上杉氏は豊臣政権のもと、領内の金山開発につとめていました。
直江兼続書状
佐州相川之図
個人蔵
佐渡相川金銀山に成立した鉱山都市相川の様子を描いた図。相川には慶長8年(1603)に大久保長安によって陣屋(後の佐渡奉行所)が設置されました。周囲には町がつくられ、最盛期には人口4〜5万人の都市となりました。
佐州相川之図

大久保長安像
大安寺像
甲斐出身で佐渡奉行となった大久保長安の木像。長安はもと武田家臣で、武田氏滅亡後には徳川家康に仕え、家康のもとで鉱山支配などで手腕を発揮しました。

大久保長安像(大安寺蔵)
江戸幕府奉行人連署状
個人蔵
江戸時代初め、甲斐から佐渡に移った辻茂右衛門の妻子が、佐渡までの道中の通行が保証されるよう、甲斐国奉行人が連名で諏訪・松本・松代・飯山・高田の各領内に依頼した文書。甲斐から佐渡への移動の様子がわかります。

江戸幕府奉行人連署状(個人蔵)

第4章
鉱山技術と貨幣製造技術

鉱山では、山から鉱石を掘り出して、そこから金を製造するまでの間に、様々な技術が用いられました。また製造された金は、数多くの工程を経て、金貨に加工されます。鉱山遺跡や鉱山絵巻から、金を生み出すための人々の知恵や技術を紹介します。

※新発見の資料です。
金生産関係資料(甲府城下町遺跡出土)

山梨県埋蔵文化財センター蔵
江戸時代初期の甲斐金座から出土した、金生産に関連する出土遺物。炉とみられる石製品や、金粒子が付着した羽口、土器片などがあります。
石製品羽口
鉱山臼
上段左:黒川型回転臼、甲州市教育委員会蔵(山梨県指定文化財)
上段右:湯之奥型回転臼、甲斐黄金村・湯之奥金山博物館蔵
下段左:リンズ型回転臼、村上市教育委員会蔵(村上市指定文化財)
下段右:佐渡の石磨、佐渡市教育委員会蔵
鉱山臼とは、掘り出した鉱石を細かく砕くための道具です。鉱石の性質などによって多様な臼が使用されました。
黒川型回転臼湯之奥型回転臼リンズ型回転臼佐渡の回転臼
佐渡国金銀山図(新潟県立歴史博物館蔵)
佐渡国金銀山図(部分) 新潟県立歴史博物館蔵
佐渡の金銀山における作業の様子を描いた絵図。掲載部分には、水上輪と呼ばれる道具を用いた坑道内の排水作業や、木材を使用して坑道を補強する場面などが描かれています。
水上輪
上段:両津郷土博物館蔵
下段:新潟県立歴史博物館蔵
佐渡金銀山の排水器具として使用された道具のひとつ。先端のハンドルを回すと水が汲みあげられる仕組みになっていました。写真は昭和時代に農家で灌漑用具として使用されたものです。
水上輪

水上輪

鉛板・荷札木簡(佐渡奉行所跡出土品)
佐渡市教育委員会蔵 重要文化財
Photo by T.Ogawa
佐渡奉行所跡から出土した製錬用の鉛板と、その荷札木簡。鉛板は1枚30〜40kgあり、計172枚が出土しました。佐渡金銀山では、金銀を生産するため、大量の鉛を使用していたことがうかがわれます。

佐渡奉行所出土、鉛板
佐渡国金銀山敷岡稼方図
新潟県立歴史博物館蔵
佐渡では小判を製造していた時期があり、金銀山絵巻には、小判製造の工程を描いた場面もあります。
佐渡国金銀山敷岡稼方図
■関連イベント情報
「黄金の国々」展 記念講演会

■日時 平成24年11月4日(日曜) 午後1時30分から4時まで
■場所 山梨県総合教育センター 大研修室(博物館となり)
■講師 井澤英二氏(九州大学名誉教授)・中島圭一氏(慶應義塾大学教授)
■予定
13:30 開会、あいさつ
13:35 講演1、井澤英二氏「甲斐の金山と佐渡の金銀山―金の組成と製錬技術」
14:35 休憩
14:45 講演2、中島圭一氏「金(きん)がお金(かね)になるまで」
15:45 質疑応答
16:00 閉会

※申し込み不要、参加費無料です。

かいじあむ古文書講座「金山関係の古文書を読む」

■日時 (第1回)平成24年10月13日(土曜) (第2回)平成24年11月10日(土曜)
  
午後1時から午後5時30分まで
■場所 生涯学習室
※参加費無料、事前のお申し込みが必要です。

かいじあむ講座「金銀生産技術と鉱山絵巻」
■日時 平成24年10月21日(日曜) 午後1時30分から3時まで
■場所 生涯学習室
※申し込み不要、参加費無料です。
やまなし再発見講座(全3回)

■主催 山梨県立博物館、山梨県生涯学習推進センター 
■日時 平成24年10月25日11月1日、8日(いずれも木曜)午後2時から4時まで
■場所 山梨県生涯学習推進センター(甲府市飯田1-1-20)
■内容
10月25日「発掘成果から見た金山」 中山誠二(当館学芸課長)
11月1日「武田氏と黄金」 海老沼真治(当館学芸員)
11月8日「科学分析から探る山梨の金山」 沓名貴彦(当館学芸員)
※お問い合わせ・お申し込みは山梨県生涯学習推進センター(055-223-1853)まで

かいじあむ子ども工房「砂金すくいを体験しよう」

川底の中から道具を使って小さな砂金を探し出します。
■日時 平成24年11月25日(日曜) 午前10時30分から午後3時まで
■場所 ロビー
※申し込み不要。実費200円が必要です。

学芸員によるギャラリー・トーク

担当学芸員が展示の見どころをわかりやすく解説します。
■日時 平成24年10月6日(土曜)、7日(日曜)、8日(月曜・祝日)、20日(土曜)、27日(土曜)、11月3日(土曜)、10日(土曜)、17日(土曜)、24日(土曜)、12月1日(土曜) 午後3時から1時間程度
※上記日程以外にも交流員によるガイドツアーを毎日開催します(午後3時から40分程度)。
※企画展観覧券が必要です。

 
 

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黄金の国々展図録
 「黄金の国々―甲斐の金山と越後・佐渡の金銀山―」
展示図録

A4版 カラー 239ページ
¥1500


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■ 企画展関連図書コーナー 
資料閲覧室 関連図書コーナー
資料閲覧室に、企画展の関連図書を紹介しております。展示の事前学習に復習に、ご自由に手にとってご覧ください。
 


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