富士山は、秀麗な姿と火を噴く荒ぶる姿を併せ持つことから、古より信仰の対象として、また、優れた芸術作品を生み出す創作の源泉として、常に人々の憧憬を集めてきました。平成25年6月には世界文化遺産に登録され、その重要性が世界的に認められるものとなったことは記憶に新しいところです。このたび、富士山に関する文化財を一堂に集めた展覧会を、富士山にゆかり深い、山梨・静岡両県が手を携えて開催する運びとなりました。 本展では、多様な富士山と文化の関わりのなかでも、特に富士信仰を中心として、信仰を起点として生み出された芸術品の数々についてもご覧いただきます。信仰という視点から見ることにより、今までよく知られた作品にも様々な意味が込められていることがおわかりいただけるでしょう。 この機会に、富士山についてさらに理解を深めていただくとともに、世界遺産である富士山を後世へと守り伝えていく思いを新たにしていただければ幸いです。 なお、本展は静岡県立美術館との共催による両館での巡回展です。 一部、巡回しない資料もございます。 静岡会場の詳細については、 静岡県立美術館「富士山展」特設ページをご覧ください。
■期間 平成27年10月24日(土曜)から11月30日(月曜) ■時間 午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで) ■休館日 毎週火曜日(11月3日は開館)、11月4日(水) ■観覧料
※次の方は特別展の観覧料が免除となります。 ・山梨県内ご在住の65歳以上の方 ・小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の児童・生徒 ・障害者の方(およびその介護をされる方) ※宿泊者割引は、県内のホテルや旅館等に当日か前日に宿泊される方を対象とした割引料金です。 ※無料、 割引料金の対象となる方はそれぞれ証明できるものをご提示ください。 ※定期観覧券(年間パスポート)もどうぞご利用ください。 ■主催:山梨県立博物館、静岡県立美術館、「富士山―信仰と芸術―」展実行委員会 ■後援:朝日新聞甲府総局、NHK甲府放送局、エフエム甲府、エフエム富士、産経新聞甲府支局、テレビ朝日甲府支局、テレビ山梨、日本ネットワークサービス、認定NPO法人富士山世界遺産国民会議、富士急行株式会社、毎日新聞甲府支局、山梨交通株式会社、山梨新報社、山梨中央銀行、山梨日日新聞社・山梨放送、読売新聞甲府支局
■展示構成と主な資料 ※下記の資料を含め、一部の資料は以下のスケジュールで展示替えをいたします。 【前期】10月24日(土)〜11月9日(月)、【後期】11月11日(水)〜30日(月) 展示資料および展示期間の詳細については、出品目録をご参照ください。
重要文化財 遊行上人縁起絵 第八巻(兵庫 真光寺) 時宗の祖とされる一遍の事績を描いた絵巻。第二巻と第八巻に富士山が描かれているが、その相貌は大きく異なっている。
富士三保松原図屏風(静岡県立美術館)
加納山雪筆。駿河湾・三保の松原から望む富士山を大きく描く。 ※前期のみ展示
冨嶽三十六景より 神奈川沖浪裏(当館蔵)
葛飾北斎の代表作ともいえる秀作。本作をふくめ、冨嶽三十六景からよりすぐりの作品を期間限定で紹介する。 ※「神奈川沖浪裏」ほか2作品は前期のみ展示 ※「山下白雨」ほか2作品は後期のみ展示
重要文化財 『本朝文粋』巻十二「富士山記」(山梨 久遠寺) 名文家として知られた都良香の著作。富士山頂の様子を克明に記録している。 ※後期のみ展示
御身抜(個人蔵) 後に富士講の開祖と位置づけられた行者・角行による御身抜。独特の文字や図によって富士山を中心とする信仰世界を表現している。 ※前期のみ展示
富士講行着(大木家資料、当館蔵) 富士講の行者が身につけた装束。富士山は神仏の浄土であるという信仰があり、登拝の道者たちは死装束の意味を込めて白い行着に身を包んで山頂を目指した。
浅間山真景図(個人蔵) 池大雅筆。大雅は何度も富士登拝を行っており、多数の富士山図を残した。本資料では浅間山・富士山・筑波山を一図にあらわしている。 ※後期のみ展示
特別展「富士山―信仰と芸術―」展示図録 A4版、230頁 2,000円 ミュージアムショップで好評発売中!
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