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広重の「不二三十六景 東都水道橋」より下流から神田川をのぞきこんだ構図で、神田上水の掛樋が画面を横切り、その奥に水道橋、対岸の土手、皀角(さいかち)坂の松の間に富士が配されている。さまざまな荷を載せた舟が川をさかのぼっていく。空を一羽のホトトギスが飛んでいる。
※御茶ノ水(東京都文京区)
…御茶ノ水は、湯島にあった高林寺の境内から湧き出したという名水で、徳川秀忠、家光が茶の湯に愛用したと伝えられている。享保14年(1729)、神田川の拡幅により消滅したが地名として残り、神田川の景勝地となった。本図は、神田川を下流側から見て富士を望む。神田川には、手前に神田上水の御茶ノ水の掛樋、奥に水道橋が架かっている。 |