山梨県立博物館 かいじあむ
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4 水にとりくむ

 
「戦国からのメッセージ」展示室写真山梨の人々は、度重なる水害を克服するために信玄堤などの独自の治水技術を発達させ、徳島堰などの利水事業を通じて、豊かな水の恵みを生み出してきました。
水に関わる人々のさまざまな歴史と同時に、そこから生まれた民俗や信仰や先人たちの水に取り組んできた姿を紹介します。
展示資料
資料名
時代
所有
指定
資料解説
釜無川氾濫の図(複製)   山梨県立博物館(原資料:長遠寺)    享和2年(1802)に鏡中条村(南アルプス市)付近で起きた大洪水の様子を描いた絵図。
網代護岸 (宮沢中村遺跡)    山梨県立考古博物館    洪水から水田を守るため、鎌倉時代に造られた護岸。
おささら様(模造品)          甲府市小瀬町で行われる天津司の舞(国指定重要無形民俗文化財)で使用される人形。甲府盆地が湖だった頃、天から降りて来て舞い踊っていた神々の姿を現している。
富士川通もじり籠魚漁禁制廻文(頼生文庫) 文久2年
(1862)
山梨県立博物館   市川代官所が富士川沿いの村々に対し、漁のために仕掛けたもじり(竹で編んだロート状の籠)が舟の通行を妨げるほど大量になっているため、昼間にもじりを仕掛けることを禁じた通達。もじり漁は一度に多くの魚を捕らえることができるが、仕掛けは大きいもので数メートルにも及び、富士川水運に支障が出るまでになっていた。
用水路に水車屋建家に付差出一札(甲州文庫) 文化9年
(1812)
山梨県立博物館   又蔵が大師村(南アルプス市)で、水車稼のために水車屋を建て、家業とする際に名主へ提出した契約書。水車業は13ケ年の契約となっているが、水車屋が田地の用水に差し支えるときは、すぐに水車屋を引き払うことを約束している。水車は小麦や蕎麦などの穀物を効率的に搗いたり、挽くことができたが、田地用水への影響が懸念された。
請取(米・麦・小麦の搗代)(渡邉家文書) 江戸時代 山梨県立博物館   水車で米・麦・小麦を搗いた代金の支払いに対する領収書。水車小屋で水力で杵や臼を動かし、米や麦、小麦などが精米・粉末にした。それらの粉末が、団子やそばなどに加工され、村や町の豊かな食文化を支えた。
もじり籠に付波高島村相手の訴状(甲州文庫) 元文5年
(1740)
山梨県立博物館   河内領の上八木沢村(身延町)が、村で川瀬に仕掛けていたもじり籠を隣接する波高島村(同)に撤去され、波高島村のもじり籠に付け替えられた事件について、波高島の行為は不当だとし、これを止めるよう訴え出た際の古文書。もじり漁は村の重要な収入源になっていたようで、その設置をめぐって周辺の村と争いになることもあった。
妙光院雨乞祈祷料神納覚(五味家資料) 文化11年
(1814)
山梨県立博物館   戸隠山(長野県)の妙光院が西郡上今井村(南アルプス市)の名主惣兵衛に対し、雨乞いの祈祷料として銭300疋を受け取ったことを伝えた古文書。戸隠は古代に水の神・農耕の神である九頭竜が封じられた地として知られ、各地から雨乞いのために参拝者が訪れていた。
石尊祭の藁束 平成14年
(2002)
山梨県立博物館    水神である「石尊(せきそん)さん」の祭りで使用される。唱えごとをしながら、藁を一本ずつ束から抜き取り、川に投げ入れる。
御幸祭川除の石 平成15年
(2003)
山梨県立博物館    洪水を防ぐために行われる御幸祭(みゆきまつり)で、水神を鎮めるために使用される石。
形代 人形(南アルプス市大師東丹保遺跡出土) 鎌倉時代 山梨県立考古博物館    大師東丹保遺跡では水辺の祭祀に用いられる形代や斎串が多数出土した。人形に災いを移し、清らかな水に流す現代の大祓に似た使い方がされたと考えられる。
雨乞いの仏像 不明 清水寺    山梨市市川の清水寺に伝承される雨乞いの仏像。
測量器(複製) 江戸時代 山梨県立博物館(原資料:個人)    江戸時代の優れた土木技術者であった窪田幸左衛門(1771-1855)が用いた測量器。持ち運びに便利なように、簡単に分解・組み立てが出来る仕組みとなっている。


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