山梨県立博物館 かいじあむ
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9 城下町の賑わい

 
「戦国からのメッセージ」展示室写真
城下町の成り立ちや役割を理解するために、甲府城築城の目的や甲府城下町の都市計画を紹介します。また、城下町で営まれた武家や町人の生活を紹介します。

展示資料
資料名
時代
所有
指定
資料解説
甲府城下町絵図(グラフィック 柳沢文庫) 江戸時代 (原資料 柳沢文庫)   柳沢吉保・吉里が治めている頃(1705〜1734)の甲府城下町を描いた絵図。
亀屋座芝居番付(「升太の広告集」より) 文政7年
(1824)
山梨県立博物館   亀屋座で行われた芝居のプログラム。七代目市川団十郎、2回目の甲府公演時のもの。七代目団十郎は、地方公演では「市川海老蔵」を名乗っていた。甲府の亀屋座は関東八座のひとつに数えられるほど広く知られており、市川団十郎や松本幸四郎など、名だたる役者が舞台に立った。
菓子題箋「升てゐら」 文政5年
(1822)
個人   市川家の「三升」紋をあしらったカステラの題箋。甲府の亀屋座で、七代目市川団十郎が初舞台を踏むのにあわせて、甲府の菓子屋である升屋が発売した。
菓子題箋「志の々め(東雲)」 天保12年
(1841)
個人   七代目市川団十郎の3回目の甲府公演で、七代目が演じた演目のせりふから命名した、升屋の新作菓子の題箋。七代目自身がしたためている。七代目は大きな目がトレードマークであったことから、「め」という字を絵文字で書いている。
「新製親玉おこし」ちらし 江戸時代 個人   升屋が新春売り出し用に用意したと思われる菓子のちらし。七代目市川団十郎の当たり役「暫」が描かれている。浮世絵師の歌川国芳が手がけたものだが、国芳と升屋の主人である升太は親交があり、両者の間で交わされた手紙も残されている。
松亭開業案内状(甲州文庫) 嘉永2年
(1849)
山梨県立博物館   甲府魚町2丁目で料亭を営んでいた松亭が、新しいメニューができたことを宣伝するために出した案内状。文中では「東都」=江戸から呼び寄せた料理人が工夫を凝らした料理を提供していることを伝えており、江戸の料理人が宣伝材料になっていたことがうかがわれる。
松亭の引札(大木家文書) 江戸時代か 山梨県立博物館   松葉の形を模したマークの中に「割烹家 松亭」の字が記されている。松亭の引札(チラシ)か、掛紙(包装紙)として使われたものと思われる。
『山梨県甲府各家商業便覧』(甲州文庫) 明治18年(1885) 山梨県立博物館   甲府の商家の屋号、所在地、取扱品目などを紹介した便覧。形状や内容は江戸時代の『買物独案内』の系譜をひくが、絵入りで店構えまで紹介する点に特徴がある。
乍憚口上(小田原屋引札) 江戸時代 山梨県立博物館   甲府魚町二丁目小田原屋弥七(魚・乾物問屋)の広告。新たに「即席御料理仕出し」を始めるとあり、御吸物・茶碗物・大平物・御刺身・御つまみ物の5種類の品書きと料金が記される。またそれ以外にもお好み次第で調理する旨を明記している。
『さかなつくし』 明治44年(1911) 山梨県立博物館   歌川広重(1797-1858)が天保年間(19世紀前半)に作成した連作「魚づくし」を、近代になって折本装のかたちで再版したもの。
不審者宿取り仰渡に付差上一札(甲州文庫) 天和2年
(1682)
山梨県立博物館   甲府柳町の蕎麦切屋と茶屋が、怪しい人物に対する料理の提供や宿泊の世話をしないこと、そうした人物を奉行所に報告することなどを約束した文書。17世紀後半の段階で、甲府町中に蕎麦屋や茶屋など料理を提供する店が存在したことがうかがわれる。
甲府町酒造石高調帳(甲州文庫) 宝暦5年(1755) 山梨県立博物館   甲府城下町の酒造業者の所在地・屋号と造酒石高を、町年寄山本半左衛門・坂田与一左衛門らが報告したもの。これによれば、甲府ではこのとき22軒の酒屋で1774石余りの米が酒造りに用いられていた。
清酒・賢飩・煮売商売につき乍恐書付を以奉願上候(甲州文庫) 寛政7年(1795) 山梨県立博物館   甲府広小路の与七が、清酒・賢飩(けんどん)・煮売(にうり)商売の許可を求めた申請書。賢飩は慳貪とも書き、うどんやそばなど、1人前の食事を丼などに盛り切りで提供する店のこと。煮売は飯と煮魚など調理済みの惣菜を提供する店をいった。
甲斐国三郡引渡目録(甲州文庫) 享保9年
(1724)
山梨県立博物館   甲府藩柳沢家が大和郡山(奈良県)に国替えとなった際、甲斐国における業務引継のために作られた文書。中には、甲斐国から幕府に献上した産物も記されており、季節に応じて枝柿、リンゴ、ブドウなどを献上していたことがわかる。
甲府上水木樋   甲府市水道局   木製の上水管。甲府城下町では全国的にも早い時期に上水網の整備がなされ、先進的な都市づくりが進められていた。
甲府城跡出土鯱瓦(復元品)   山梨県立考古博物館   創建当時の甲府城にあった金箔付きの鯱瓦を復元したもの。
稲荷曲輪出土瓦 豊臣政権期(16世紀) 山梨県立考古博物館
瓦の表面には、甲府城を整備した浅野氏の家紋である「違い鷹の羽紋」がある。
本丸出土花菱紋瓦 江戸時代(17世紀) 山梨県立考古博物館
瓦表面には甲府城主であった柳沢氏の家紋である「花菱紋」がある。
人質曲輪出土桐文様瓦 豊臣政権期(16世紀) 山梨県立考古博物館
瓦表面には豊臣家の家紋である「桐紋」がある。甲府城を整備した浅野氏は、豊臣家の重臣であった。
輪宝 江戸時代(17世紀) 山梨県立考古博物館
地鎮(じちん)のための道具。甲府城稲荷櫓跡から出土した。


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